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その時後ろに控えていた警官が「時間です」と告げた。
「もう時間みたいです。中也さん、今度は旦那さんと一緒に来てくださいね」
「え…?それは構いませんが…でも…」
彼女のことが心配になり言葉を詰まらせた。
そんな私に美代さんはふふと笑って、窓越しから私の後ろを指差した。
「中也さん、そこにずっと無表情でいる高森先生がいるでしょ?」
「え?あ、はい…」
私は後ろを振り向いて高森先生を見つめる。
そこには無表情で両腕と足を組んで椅子に座っていた。そんな高森先生は美代さんが指を指されても表情はびくりと動かない。
「実は私、彼のことが好きなのよ」
「「え!!?」」
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