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「せっかく俺たち家族になったのにまだ“さん”づけはちょっと寂しいな~」 「えっ…っと、まだ、慣れなくて…もうちょっと待ってください、司さ…、じゃなくて兄さん…」 顔を赤らめて小さく『兄さん』と口にした美羽ちゃん。小さい声だったがちゃんと聞き取ることができた。 『兄さん』かぁ…。まあ、良しとするか。 本音をいえば『兄さん』じゃなくて中也さんと同じく『お兄ちゃん』と呼ばれたい。 頬を染めたままリビングから逃げるように自分の部屋に入っていくのを笑みを浮かべながら見つめる俺。 別に美羽ちゃんは俺を受け入れていないわけではない。最初は警戒心や嫌悪を感じていたが、俺を知っていくうちに今では兄のように接してくれているのがわかる。 いや…俺がそういう風に思い込んでいるのかもしれない。俺、アルファだし…。
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