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大体の話は中也さんから聞いた。もしかしたら美羽ちゃんの中ではまだ俺のことを嫌っているんじゃないかと思っている自分がいる。 「ふぇ…」 「!!司羽起きたのか?ママはまだねんねしてるからパパで我慢な」 泣き出しそうな司羽を抱き上げた瞬間すぐにまた寝息を立てた。 そういえば司羽はベッドで寝るよりこうやって抱っこした方が好きだって中也さんが言ってたっけ。 日本を中心に動いている俺は普段こういう視察や休みがないとここに来ることしかできない。 いつか司羽が俺の顔を忘れたり、父親として見られてないと考えるだけで心が痛い。 やっぱり父に頼んでフランスに移動しようか。 その時ピンポーンとインターホンが鳴り、俺はモニターで来訪者を確かめた。
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