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「どうやって僕がオメガじゃないって気づいたの」
「…カンですかね」
「ぷ、はは」
突然笑い出した秋人さんにビックリした。ひとしきり笑った彼はふうーっと息を整いて身に付けていた首輪を外し、苦笑いを浮かべて告げた。
「…司の言う通り、僕はオメガじゃない。アルファなんだ」
「え…?で、でも…」
「アルファには見えない?」
「はい…」
秋人さんがアルファだと思わなかった。少なくともベーターだと思っていた。
「そりゃそうだよ。僕は司みたいなアルファフェロモンはあまりないからね」
そう言った秋人さんはどうしてオメガとして偽っているのかを話してくれた。
幼い頃、難病を抱えていた秋人さんは約10年間病院で入退院を繰り返していた。そしてある日、何故か病気は完治していた。医者も驚愕し、これは奇跡だと思ったらしい。
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