現在

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*** 昔の記憶をたどって、再び戻ってきた私は、娘に訊ねた。 「ねえ、」 “お父さんなあ、ペテン師になりたかったんや” “お前、なんか、なりたいもんあるんか” あのときの父は、『どうしようもないひと』なりに、私に何かを伝えたかったのだろうと、大人になり、母になった今なら少しだけわかる。 人生なんて、全然うまくいかない。 それでも親は、自分の人生を棚にあげて、子供の幸せを願うのだ。 どうか、娘よ。 あなたを産んで、私は幸せです。 あなたも、いつのときも、幸せにでありますように。 穏やかに微笑む父を思い出しながら、私は娘に、なるべく笑ってみせた。 「大人になったら、何になりたいん?」 【ある日父は、ペテン師になりたいと言った。】 end.

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