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昔の記憶をたどって、再び戻ってきた私は、娘に訊ねた。
「ねえ、」
“お父さんなあ、ペテン師になりたかったんや”
“お前、なんか、なりたいもんあるんか”
あのときの父は、『どうしようもないひと』なりに、私に何かを伝えたかったのだろうと、大人になり、母になった今なら少しだけわかる。
人生なんて、全然うまくいかない。
それでも親は、自分の人生を棚にあげて、子供の幸せを願うのだ。
どうか、娘よ。
あなたを産んで、私は幸せです。
あなたも、いつのときも、幸せにでありますように。
穏やかに微笑む父を思い出しながら、私は娘に、なるべく笑ってみせた。
「大人になったら、何になりたいん?」
【ある日父は、ペテン師になりたいと言った。】
end.

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