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「挨拶としてはこれくらいでいいわね、降下して捕虜を救出するわ」
アイリスは一頻り陣営を叩いた後にミリアリアに向けて囁き、ミリアリアが引き締まった顔で頷くと穏やかな表情で頷きながら司令部前の広場に向けて降下を始めた。
アイリスの降下を確認したフォレンストドラゴンもブレスを放ちながら降下を始め、アイリス達が地面に降り立つ寸前に背中のライナ達に向けて念話で語りかける。
……行くがよい、黒き森の民と森の民よ、そして必ず還ってこい……
「必ずや、よしっ行くぞっ、リーナ、アリーシャ」
「OK、行きましょ」
「皆を助けましょう」
ライナはフォレンストドラゴンの激励に応じた後にリーナとアリーシャに声をかけ、2人の力強い答えに頷いた後に魔力の風を身に纏いながらフォレンストドラゴンの背中を蹴って虚空に身を踊らせた。
ライナに続いてリーナとアリーシャも魔力の風を纏いながらフォレンストドラゴンの背中を蹴り、虚空に身を踊らせたライナ達は身に纏った魔力の風で落下速度を緩めながら地面に降り立ち抱え上げていたミリアリアを地面に降ろしているアイリスの傍らへと柔らかに着地した。
「それじゃあ、行ってくるわね」
「頼んだぞ」
アイリスとミリアリアは着地したライナ達に声をかけ、ライナ達が力強く頷いたのを確認すると小さく頷き合った後に魔導結界に覆われた牢屋に向かって駆け出した。
虜囚となった女エルフ達を救出に向かったアイリスとミリアリアにその背後を死守するライナ達、その上空ではゆったりと羽ばたきながら浮遊するフォレンストドラゴンが支援の為に陣営にブレスを叩き込んでいた。
虜囚となった女エルフ達を救出する為にアイリスが計画した残党狩部隊本隊への襲撃計画、周到に組み上げられた襲撃はアイリス率いる本隊の到着によって最高潮を迎えた。
陣営上空に到達したアイリスが魔龍と共に放った一撃、その一撃は魔王の襲撃に翻弄される残党狩部隊を麻痺させる鉄槌となり、鉄槌を下した魔王は大切な女(ひと)と共に悠々と地面に降り立った……
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