第五章  ついに

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「そのつもりだ。お前なんかに言われなくともな。 わかっていると思うが、私はお前を取引に“利用”した。それは紛れもない事実だ。 しかしなぜだろうな、罪悪感がないんだ。 お前以外の誰かが幸せになれるんだ ……それでお前は満足だろ?」 あー。 ダメ、 涙なんて この宇京麗奈にはにあわないわ 大丈夫よ。 さんざん嫌味を言われ続けたじゃない。 「……はい。ありがとう御座いますお父様」 なんで私が感謝をしているの? もう、バカバカしいから だから 笑いなさい。 麗奈。 そうやって、心の中で自分に言い聞かせていないと私は闇に飲まれてしまう 「ついたぞ。くれぐれも粗相のないようするんだ。いいか。」 「はい。わかりました。」 そう言って微笑んだ。 よくやったわ麗奈。 そう、そうやって自分を殺して生きなさい。 でないと、 壊れてしまうわよ?
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