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散々泣いたせいか、少し気分がすっきりしたようだ。
「私なら大丈夫よ。大丈夫。」
そう唱えるしか今の麗奈にはできなかった。
雪奈は、私がお嫁に行くのも自分の弱さのせいだと、きっと攻めるのだろう。
そのことを考えると、胸が痛んだ。
私は光など見られない人生を過ごすのね。
私にはヒーローは現れないのかしら。
お父様は冗談だと言ってはくれないか。
現実逃避する自分が嫌で私は
下唇をかんだ。
もう、未来は変えられないのよ。
私はお父様に愛されなかった。
ただそれだけ
それだけなのよ。
前を向きなさい宇京麗奈。
そう、自分に言い聞かせる。
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