第五章  ついに

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刻々と時間がせまるたびに 大きな大きな波にのまれそうになってしまう。 「麗奈お姉様、顔色がすぐれないようですが、何かありましたか?」 「いいえ、何にもないわよ。 寝不足のせいで顔色がすぐれないのかも知れないわ。」 危ない。 雪奈は、麗奈の少しの変化にも敏感だ。 気づかれたら大変だ。 「……………そうですか。ちゃんと寝てくださいね?」 「わかったわ。」 こうやって弟が自分を心配してくれることは、お嫁に行ったらしてもらえないのかしら? 何よりも、雪奈を騙しているような自分が とても嫌だった。 あと24時間後、島崎さんの甥っ子さんの家に行く。 憂鬱でしかないことでも、雪奈が元気で過ごしてくれることを考えると ホンの少しだけでも、気が楽になった。 ありがとう雪奈、そしてごめんなさい
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