第五章  ついに

21/58
前へ
/196ページ
次へ
雪奈side 最近麗奈お姉様の様子がおかしい。 とても切なそうに笑うんだ。 何かある。と、確信した。 麗奈お姉様に、 どうしたの?と聞くと、 何でもないわ。と返ってきた。 嘘だ。 僕にはわかるんだ。 僕はあのクソ親父に聞いてみることにした。 「お父様、最近麗奈お姉様の様子がどうもおかしいのですが、何か知っておられますか?」 「知らんな。 それよりも、またテストで学年一位をとったらしいじゃないか。凄いぞ! 美香ちゃんはどうやら勉強が苦手らしいから、教えてやりなさい。」 「はい。わかりました。」 笑顔を貼り付けてそう答える。 麗奈お姉様は毎回テストで学年一位をとっているのをクソ親父は知っているはずだ。 しかし、わかっていても褒めたことがないだろうと薄々気づく。 嫌な予感がするんだ。 麗奈お姉様にいったいなにがあったんだ?
/196ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6403人が本棚に入れています
本棚に追加