第五章  ついに

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「ねぇ、美香ちゃん、秘密ってなに?」 「えー、教えなーい。」 ちっ。 心の中で舌打ちを打った。 仕方ない…… チュッ。 「教えて?」 キスをしてやった。 あー、汚い。 でも、麗奈お姉様のためには、その秘密とやらを知る必要があった。 女は顔を真っ赤にして 「仕方ないなー」 と言った。 チョロいなと思った。 「実はね、麗奈さん今日、婚約者と顔合わせなんだってー。 で、そのまま一緒に暮らすんじゃないかな? パパがそう言ってたし間違えないよー!」 婚約? なんのことだ 一緒に暮らす? だから  だからあんなに麗奈お姉様は悲しそうに笑ったのか。 どうして どうして言ってくれなかったの? あー、麗奈お姉様に相談されても僕にはなにが出来た? 一緒に逃げる? いや、それは麗奈お姉様が喜ばない…。 僕が…僕が無力なせいでっ!
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