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「ねぇ、美香ちゃん、秘密ってなに?」
「えー、教えなーい。」
ちっ。
心の中で舌打ちを打った。
仕方ない……
チュッ。
「教えて?」
キスをしてやった。
あー、汚い。
でも、麗奈お姉様のためには、その秘密とやらを知る必要があった。
女は顔を真っ赤にして
「仕方ないなー」
と言った。
チョロいなと思った。
「実はね、麗奈さん今日、婚約者と顔合わせなんだってー。
で、そのまま一緒に暮らすんじゃないかな?
パパがそう言ってたし間違えないよー!」
婚約?
なんのことだ
一緒に暮らす?
だから
だからあんなに麗奈お姉様は悲しそうに笑ったのか。
どうして
どうして言ってくれなかったの?
あー、麗奈お姉様に相談されても僕にはなにが出来た?
一緒に逃げる?
いや、それは麗奈お姉様が喜ばない…。
僕が…僕が無力なせいでっ!
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