第五章  ついに

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麗奈side 「もしもし、雪奈? 私は今……西条さんという人といるの。」 「西条さん……?? 誰なんですかその人は… それよりも、ご無事デスカ?」 「えぇ。無事よ。 雪奈もきっと知っているはずよ。 西条俊さん。」 「西条…………俊? あの、西条俊っ!?」 「そうよ。」 「どうして麗奈お姉様が西条俊と一緒にいるんですか?」 「雪奈はきっと美香ちゃんから聞いたと思うけど、お父様の取引のために私は結婚することになったの。 その婚約者さんに…………襲われそうになったところを西条さんに助けて貰ったの。」 「…………襲われそうになった?」 「……雪奈、私はこれから西条さんと暮らしていこうと思うの。 でも、雪奈が嫌だって言ったら、西条さんとは暮らさない。」 私をお姫様抱っこした形のまま車に座っている西条さんがこれを聞いて、寂しそうな顔をした。
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