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「そうか……。」
と言って微笑み返してくれた。
そのことにまで剛さんが驚いていたことは気づかなかった。
「あの、西条さん…やっぱりこの体勢は恥ずかしいです…。」
そう、さっきまではいろいろなことがありすぎてそれどころではなかったけれども、よくよく考えてみるとものすごく恥ずかしい格好だったことに気がついた。
「そうか?
俺はこのままがいい。」
と言われてしまった。
「重くないんですか?」
今、西条さんの膝のうえに私が横抱きされているような体勢だ。
「重くない。
むしろ軽すぎるくらいだ。」
「そ…そうですか。」
逆に説教されてしまった。
西条さんは、噂とは全然違って、冷酷どころかとても優しくて…優しすぎるくらいで、戸惑ってしまう。
「若。つきやした。」
剛さんが声をかけた。
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