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第四章 あなたは光
麗奈side
パーティーの次の日に、麗奈は突然父に呼ばれたのだ。
コンコン
「入りなさい。」
いつも以上に声がかたく、真剣な話なんだろうと余計に麗奈の体がこわばった。
「失礼します………………。お話しとは何でしょうか?」
「これからお前にはこの家を出て行ってもらう。」
「……………な、何ででしょうか。」
動揺が隠せない。
「私の古くからの友人の島崎さんを知っているだろう?」
「……………はい。」
「その島崎さんの甥っ子がお前を気に入ったらしくてな、嫁に欲しいと申し出たみたいなんだ。」
「…そんなっ!」
その島崎さんの甥っ子とは麗奈よりも二十歳も年上なうえに、ハゲていて、お金遣いが荒いと評判の人だった。
「文句は言わせない。お前を嫁にやる代わりに大きな取引を貰ったんだ。」
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