第五章  ついに

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麗奈は気づいた。 スーパーに買い物に来たお客さんが俊を見て頬を赤に染めている。 そして、 「あれって西条俊じゃない?」や 「うっそー!初めて見たわ~!」や 「かっこいい~!」などの声が聞こえた。 「俊って、有名人ね。凄いわ。」 「嬉しくもなんともないけどな。」 と、微笑み会いながら会話をしていると、 「なに?あの女。西条さんとなれなれしく話しやがって。」 などの私の話題になった。 私には聞こえないように言ってほしいなと心の中でため息をついていると、 「あの女殺していいか?」 なんて俊が真顔で言うから、焦って 「ダメよ?」 と言うと 「………。」 と、黙ってしまった。 ザワザワと、私と俊を見て騒ぐ人が増えてきたから、 「早く帰りましょう?」 「そうだな。」 という会話をして、急いでレジに行った。
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