シンデレラと名乗る彼女

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「え!?子供らといつのまに!?」俺がバタバタしてる間にシンデレラは子供たちと会話してたようだ 急に真剣な顔でシンデレラが口を開く 「あの……私、戻ろうと思います…戻れるか分かりませんが、子供たちの夢を壊したくありませんし…何より出会った頃のキラキラを思い出させてもらえた気がするんです…今の私なら、ちゃんと王子と話が出来る気がします」文句や愚痴、不安な表情をしてた彼女は、そこにはいなかった… 「そっか…」何だか寂しい気持ちなのか、その姿に安心したような不思議な気持ちになった俺は 「頑張れよ…」とだけ呟きビールを飲み干した その日は何だか不思議な夢を見た…そもそも、いつ寝たのか…気付いたらリビングで寝ている俺にシンデレラが何かを言っている 「ハクマさんは、やっぱり私のハクバですよ♪王子を連れてきてくれる白馬なのです」そう頬笑む彼女はキラキラ輝いていた あくびしながら伸びをする… 「おはよう…オイ…どうやって戻るか思いついたか…?」とベッドを見ても彼女はいなかった 部屋中を探した…呼んでも返事はない まさかと急いで絵本を開く… そこに彼女はいた 幸せそうな笑顔で…白馬に王子とまたがる彼女 どことなく王子が苦笑いしてるようにも見える… こりゃあ、そうとう話し合ったのかな?と思いながら、俺の家に突然いきなり家出してきたシンデレラは帰っていった… もしかして、疲れた俺の妄想生活だったらどうしようと自分自身を疑ったが…どことなく部屋が広く感じる…違和感 「くだらねぇー妄想しちゃうほど、俺って疲れてんのかな」独り言を言いながら、とりあえず今日は学芸会の翌日で休みだ!!たまには朝からビールでも飲むかと冷蔵庫をあけると… 冷蔵庫のビールに付箋が貼られてた 1本ずつ… ハイどうぞとか、お世話になりましたとか、頑張れとか、ありがとうとか… 「やっぱ、シンデレラいたんだ…」と冷蔵庫の前で座り込む… 付箋がついたビールを手に取り、リビングにある絵本を俺は開いた… 「頑張れよ!お前なら大丈夫だって」そう呟く俺はビールをあけた 不思議と味気なく感じる… そっか…たまには一生懸命とか誰かを思うとか悪くないのかもな…なんてらしくない事を考えながら、何かが変わった自分はそっと絵本を閉じた…
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