シンデレラと名乗る彼女

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学芸会の前日… シンデレラが突然お願いしてきた 「あの…学芸会とやらを見に行きたいのですが…」少し申し訳なさそうにお願いする彼女に俺はビックリした 「え!?俺の保育園に見に来るの!?」 「やっぱりご迷惑でしょうか…??」と聞いてきた彼女に少し悩みながらも、いつまでこの世界にいられるのか分からない彼女のワガママをきいてあげたい気持ちもあったり、どうせ一般の人や保護者の関係など、たくさんの人が来るから良いかと思い俺は連れてく事にした 「いいか!俺のイトコで保育士ってのを目指してるから見学に来たって事にするんだぞ?!あと、あまり周りと話したりしないようにな?!」シンデレラに前日同様に確認する 「大丈夫です♪」嬉しそうな彼女は今日は俺のイトコ大藤芯(おおとう しん)という設定を頭に入れているはずだ… 「おはようございます…すみません、今日は俺のイトコが見学に来たいって事で連れて来てしまったんですけど…園長には許可もらってるんで宜しくお願いします」と職場にシンデレラを連れていく まぁいっか…と連れてきたが、やはり緊張する だが、いつもの子供達が来る慌ただしい時間は、すぐに訪れてくれたおかげか、これといって問題もなさそうだ… 邪魔にならない後ろの方で学芸会を見ているシンデレラ…何を思って見に来たいと言ったのだろう…何を思ってみているのだろう…と時々目をやる 片付けも終わり、珍しくベテラン女性保育士たちにもイトコが待ってるから先にあがりなさいと言われ、シンデレラと帰宅する 「ハイ!ハクバさん♪」いつものように缶ビールを持ってくるシンデレラ 「子供らの下手くそな変にお姫様や王子様がたくさん出る話だっただろ!?(笑)」とビールをあける俺にシンデレラは… 「いえ、素晴らしかったです!とても楽しかったです…みんながキラキラ輝いてて、みんな一生懸命で…王子様やお姫様になりたいって子供たちからも、いろいろ聞けましたし♪」と嬉しそうなシンデレラ
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