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いろんな事が困るが元々がお嬢様で、そのあと苦労してるからか、学習能力は高かったし、俺が保育士で良かったのか…子供に教えるのと扱いは変わらなかった…
「ただいまー」仕事から帰って、このアパートで初めて言う言葉だ…
「おかえりなさいませ♪」嬉しそうに走ってくる
不思議な気持ちになった…
のも、つかの間…また始まる…
「王子ってさ、迎えに行くのに執事とばかり話してて…全然!会話にならないの!忙しいのも分かるけど……けど…」愚痴と同時に寂しげな彼女の姿
「今日は牛丼だぞ♪」と買って帰った温かいご飯を出す
「何ですか!!?スゴく良いにおい♪」彼女は、いくら教えてもまだ箸が上手に使えないので、スプーンを出してあげる…何だか幸せそうだ
口をパンパンにしながら彼女が何かを思い出したようで話しかけてきた
「あの…オムレツで良ければ…」と台所からフワフワの綺麗なオムレツを持ってきた
「スゴいじゃん!ちゃんと練習したガス使えたの?!旨そうじゃん?!」この家で誰かに手料理を作ってもらえるなんて…と一口食べて
「旨い!!!本当に美味しいよ!!!」と彼女を見ると涙目だった
「どうした!??牛丼の紅ショウガは気を付けて食べろって言っただろ!?」と僕が言うと彼女が
「ううん…何かを作って美味しいって喜んでもらえたの久し振りで…嬉しくて…」と涙ぐんでいた
日頃は、クレーマーかママ友や女子会かというほどの愚痴しか言わないのに、女の子なんだなって可愛く思った
食べ終えたゴミを片付けて、例の学芸会の台本作りにとりかかる
「お仕事ですか?」マグカップを差し出しながらシンデレラは僕のメモに書いてる配役などに目をとおす…
「ん???これは、どういう事なんですか??!お姫様がたくさん?王子様も?おかしくありませんか??」と驚くシンデレラに僕は、今のモンスターペアレントというものの説明をした
「……そういう事だからね、こんなにたくさんお姫様や王子様がいるんだよ…困ったもんだよな」不思議な顔で説明を黙って聞いていたシンデレラに、ちゃんと伝わったかは分からないが俺は仕事の続きをした
「お姫様や王子様が素敵に見えるんでしょうけど、さほど幸せな訳でもなく、幸せそうに見えるだけなのに……」シンデレラは呟きながら部屋から出ていった
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