シンデレラと名乗る彼女

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まさに隣の芝生は青く見えるという事だろうか…いや、それとも違うのかもしれない 絵本の世界もハッピーエンドに見えても、現実世界と一緒で結婚してから違うとこが見えてきたり互いを大事に出来なくなったり、いくら素敵な出会いから始まってトキメキをえても、だんだんと一緒にいる事が当たり前になってしまうのだろう… だから、俺は1人が好きだし、どうせ冷めたり風化してしまうならと、恋とか愛とか興味がない…周りの話を聞いてるとやっぱりいつもの口癖が出てしまう…くだらねぇーって ある程度、仕事を終えてシンデレラを探すとベランダにいた 星を眺める彼女は、やっぱり絵本から出てきたお姫様なだけあって綺麗だった…声をかけるタイミングを失ってた俺に、彼女が気付いた 「終わったんですか?」と部屋に入ってくるシンデレラ 「まぁね、寒くなかった?何してたの??」とりあえず適当な言葉をかける俺に彼女は突然… 「帰りたくない訳ではないんです…嫌いになった訳でもないですし…王子が一緒に星を眺めてくれてた頃が懐かしいなって考えてて…」しょんぼりしてる彼女を見てると何だか胸がキュッと締め付けられた…いつもの口癖が出てこなかった…
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