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「あ……あ……」
「レン、大丈夫ですか?」
「ん……なんて言うんだっけ……ドライ……」
「今度、ゆっくり勉強しましょうね」
いった先生が出て行く。
俺は身体から力を抜いて、うつ伏せに倒れた。もう欲は湧いてこない。次に襲ってくるのは疲労と……恥ずかしい気持ち。
先生は黙って俺の隣に寝転んで、腕を伸ばして抱きしめてくれた。けど、俺は顔を隠すように壁の方を向いた。
「レン?」
「……見ないで」
「どうしました?」
「……こんなの、俺じゃない……」
涙が、零れた。
恥ずかしい。文字通り、ヒートに溺れてしまった……。
違う……本当の俺はこんなんじゃない……。
なんとも言えない恐怖に襲われた。
「レン、泣かなくてもいいんですよ。こちらを向いて下さい」
「でもっ、俺……こんなの違う……」
「分かっています。レン」
先生はさらに俺を抱き寄せて、耳元で囁く。
「どんなレンも、愛していますよ」
「っ……」
おそるおそる、先生の方を向いた。先生は微笑んで、そのままキスされた。
「ヒート、辛かったですね」
「……うん」
「試験前に終わらせることが出来て良かったですね」
「うん……その、先生……」
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