クライムリミット4 血の黙示録 10万以上 完結必須 竹書房 ２月

ミューズ

　アポロン自動車に勤務する、ミューズは、かつて諜報機関で数多くの暗殺を手掛けた凄腕の殺し屋だったが、殺しに嫌気が差し引退していた。
　ある日、ミューズの元に諜報員のクロウから連絡が届き、諜報機関のレイブンに呼び出される。レイブンは、「諜報員が殺され極秘情報が盗まれたため、犯人の2人の男を始末して欲しい」と依頼するが、ミューズは依頼を断ろうとする。しかし、「闇ルートから買い入れた美術品の情報を税務署に知らせる」と脅されたため、ミューズは2万ドルの報酬とコレクションの保証を引き換えに犯人1人の暗殺を引き受け、N街に向かい犯人を暗殺する。
　任務を終えたミューズは帰国しようとするが、女エージェントのジェマイマ美嘉に2万ドルと美術品の合法性を示す文書を奪われてしまう。

　美嘉はレイブンの命令で派遣されたことを知ったミューズは、レイブンの元に乗り込み抗議するが、彼は返却と報酬の上乗せを引き換えにもう1人の男の始末を依頼する。ミューズは断ろうとするが、殺された諜報員オウルが自分の命の恩人であり、かつて戦場で自分を裏切ったパロットが殺害に関与していることを知り、依頼を引き受ける。レイブンから、「犯人は片足が不自由な男で、国際親善の一環としてエベレストに登山する」と聞かされたミューズは、友人の登山家ホークの元に向かい、登山に向けてトレーニングを行う。そこにパロットが現れ、「犯人の情報と引き換えに自分の命を助けて欲しい」と取引を持ちかける。しかし、ミューズは女性スタッフのメイサに襲われ、それがパロットの指示だと知り、パロットの用心棒を殺して彼を荒野に置き去りにする。

　トレーニングを終えたミューズはホークと共に現地に向かい、登山チームと合流する。ホークから「足が不自由な男」の情報を聞いていたミューズは、チームのリーダーであるダックを犯人だと疑い、エベレストへの登山に挑む。ミューズを見送りに来たクロウは美嘉に対して、盗まれた極秘情報は偽物だったこと、敵対組織にそれを気付かせないためにミューズを呼び戻して「敵対組織への報復」を偽装しようとしていることを語る。ミューズの命を蔑ろにするやり方に憤慨した美嘉は、クロウとレイブンを非難する。