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「流石にもう限界だな。F子をクビにしようか?」Nさんがスマホの画面を見ながら周囲のスタッフにそう漏らすと、みんな諸手を挙げて賛成したという。
Nさんは「残念だけど、もう君を解雇するよ。今度会ってゆっくり話そう」とLINEに返信した。もちろん既読は付かなかった。
解雇を言い渡した翌日、さらにその翌日と、F子は性懲りも無く「具合が悪いです。マジで死んでます。今日も仕事休みます」とメッセージを送ってくるのだった。
「ブロックしたらどうですか? 来なくなりますよ」
連日F子から送られてくるLINEで頭を悩ませているNさんに、スタッフはそうアドバイスした。しかしNさんはできなかった。クビを宣告したが、あくまでもLINEで伝えただけである。短い期間とはいえ、一緒に汗水流して働いた仲であるため、直接会って話をするまで一方的に拒絶はしたくなかった。それをやったら同じレベルになってしまうと思っていた。
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