釈明会見

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 2019年2月18日  東京都内、フランスから移築されたルネサンス様式の古城に、各マスメディアの取材陣が集まっていた。  その古城はブライダル事業を手掛ける『Chatelise TAMAKI(シャトリーズ タマキ)』の結婚式場である。  本来なら幸せに満ち溢れた新郎新婦、その親類縁者・友人等の笑顔で埋め尽くされる豪華なパーティールーム。  豪華なアンティークシャンデリアの気品を纏う輝きに包まれる艶やかな空間。  今は刺々しいカメラのフラッシュが稲妻の閃光のように瞬き続けている。  テレビ中継の画面では渦中の人物が見えないほどだ。  ようやく収まった閃光から浮かび出したのは『Chatelise TAMAKI』の社長、市野(いちの)竜嗣(りゅうじ)・28歳。  フランス人の父親を持つ竜嗣は、その麗しい容姿で幼い頃からモデルをしていた。  無邪気な笑顔で国民の心を奪った天使はあっという間に美少年になり、そして美丈夫となった。  淡いブラウンの波打つ髪、キリリと顔全体を引き締める眉、深く奥まった二重の淡い碧眼から放たれる精悍な眼差し、通った鼻筋にキュっと結ばれた厚めの唇。  190センチの長身に、しっかりと鍛えられ引き締った身体で着こなす高級ブランドスーツ。  パリコレの舞台からそのまま現れたかのような佇まい。  国民を敵に回した騒動の釈明会見のこの場でさえ、集まった取材陣からは男女関係なく思わず溜息が漏れる。  竜嗣の左側には竜嗣に負けない存在感で、どこかハリウッドスターを思わせる風格の男性が。  右側には竜嗣の妻でトップモデルのKANA・29歳が並んでいた。  先月17日に発売された写真週刊誌を発端に、世間の関心を一心に集めたスキャンダルの真相が、今、本人の口から明かされようとしている。
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