その先は、きっと眩しくて白む

7

　高校生だったあの頃。隼人は毎日に飽き飽きしていた。日々を穏やかに過ごすのは案外簡単で、周りに適当に話を合わせて、スポーツでもやっておけば良かった。バスケットはもともと好きだったし、苦痛ではなかった。
　白井沙耶のことは最初から気になっていた。クラスに馴染めない、エラーみたいなやつ。こういう奴がイジめられて、死んだりするんじゃね？　気弱そうでおどおどした様子が、さぞやイジメがいがあるだろう。実際、何人かのクラスの中心的な女子に目をつけられてるみたいだった。
　いつまで、学校に来れるだろうか。
　そんなことを考えながら、あの時、沙耶を見つめていたのだ。
　あの時、沙耶と初めて目があった日。彼女は追い詰められた小動物のような瞳で、隼人を見つめ返してきた。
　その様子に、隼人は思わず笑った。
　高校に入ってから、始めて笑ったような気がした。