欠片

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外れていく人。 みんなが同じ格好をして、みんなが同じ方向を見て、同じことをしてる。 それが当たり前だと、何の疑いも持たない。 気が付いたら"僕"は集団から外れてた。 どうしてみんな一緒じゃないといけないの?と疑問を持つ。 疑問はどんどん膨れ上がって、自分の心を締め付けていく。 苦しくなる、怖くなる。 「どうして、みんな一緒じゃないといけないの?」 「同じことしなくちゃいけないの?」 僕は周りに聞いてみた。 __なんで? 「それが普通」 __どうして? 「当たり前のこと」 周りはそう答えます。 誰もが、そう言います。 気がついたら、僕は周りから見たらおかしな子。 みんなと一緒にできない変な子。 分からないことを聞いただけだったの。 どうして?って聞きたかった、それだけ。 1度変な子、おかしな子、って見られたら、 僕は1人になっていく。 僕がいられる世界が小さくなっていく。 学校という世界から溢れたら、僕の世界はお家だけ。 お家の中でも居ずらくなって、僕は部屋にこもる。 僕の世界は六畳一間。 誰も僕をおかしいと言わない、この空間。
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