0人が本棚に入れています
本棚に追加
大我はまだ残っている魚を次々口にしており、話を聞いているのか聞いていないのか分からない状態だ。
黒田が寝てしまったことで、定室が大我に説明を続ける。
「噂じゃあ、どこぞの暗殺部隊が動いてるとか、どこかの国も関わっているとか言われてる。白魔女は絶滅したと思われていたからこそ、その男は希少価値が高いんだ」
「照魔鏡ってのがもし見つかったとして、みんな何に使うんだ?本性暴いて何が楽しいんだ?意味あるのか?」
「意味があるとかないとかの問題じゃない。そのものの価値があるってことだ。要するに、金だな」
「そっか。金は大事だ」
一人でうんうんと頷いて納得している大我。
その横で、サラムは取り囲んでいる炎をじっと見つめている。
どのくらいの希少価値があるのかと聞いてみれば、国一つは余裕で買えるとか。
もちろん保存状態や、その噂のような能力があるかどうかにもよると思うが、きっと鏡が割れた状態だとしても、その能力が無かったとしても、相当な値打ちになるという。
存在そのものに、価値がある。
そしてそれが実際の能力を持っていたとすれば、最悪、戦争にまで発展するほどだというから驚きだ。
定室はサラムの方に顔を向ける。
「だからこそ、俺達はお前のことを守る。絶対に守ってみせる」
「・・・・・・」
その日の夜、皆が寝静まった頃。
音も立てずに忍びよる影が多数あった。
手で何かを合図すると、一斉にサラムたちを取り囲む。
そしてサラムを捕まえようとしたその時、五人は一気に起き上がり、定室たちは銃で応戦を始める。
激しい銃撃戦となり、男の一人がサラムに銃口を向ける。
「ダメだって!!」
そう言いながら、大我が男の後頭部に蹴りを入れたため、前のめりに倒れそうになった男は一歩足を出し、なんとか倒れることを踏みとどまった。
「この野郎・・・!!」
振り向いて大我を撃とうとしたのだが、その時にはすでに大我たちはその場から離れていた。
すぐに捜索をしてみたものの、逃げ足が速い連中らしく、見つけることは出来なかった。
「くそっ・・・」
その頃、将烈は拷問を受けていた。
「はあっ・・・。いい加減止めません?こっちが疲れるんですけどねぇ。ほんっとにあの人、人使いが荒いっつーの」
最初のコメントを投稿しよう!