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隣にいる人に、激辛あんこと言う物を知っているかと聞いてみたが、やはり誰も聞いたことがないらしく、ネットを調べてみたものの、それに該当する物は無かったそうだ。
デスクの上に置いてあるおしるこを眺めながら、試しに唐辛子を入れて飲んでみたが、美味しくなかった。
素澤たちが教会からいなくなった頃、微かに動く影があった。
腕を伸ばして床を這いつくばるようにしながら動いているその影は、血で道しるべを作っている。
小刻みに手が震えているのは寒さからではなく、意識の問題だろうか。
「くそっ・・・!!あいつら!!」
なんとか出る声さえ、ほとんど息を出す状態だ。
ずるずると床を這いながら、何処かへと向かおうとしていると、目の前に人影が現れる。
「はあっ・・・はあっ・・・!!?お、お前・・!?あ・・・どうして・・・」
足元に転がっているその人物を見るや否や、冷たい目つきで見下し、さらには冷たく黒光りしているものを突きつける。
顔の正面に向けられたそれは、床を這うその人物からしてみれば“死”の象徴そのもの。
銃口の向こうにいるその人物は、平然とその引き金を引く。
顔面から床に顔を伏したのをじっと見てから、どこかへと連絡を取ろうとするも、ふと聞こえて来た子供の声に反応する。
あれだけの銃声、起きてしまったのかもしれないと思ってしばらくそこに留まってみたが、子供たちがこちらに来ることは無かったため、そのままにしておいた。
いつもは一緒に寝ているベルガモットたちがいないため、ぐずっている子供がいるだけなのだろう。
携帯をスピーカー状態にして何処かに電話をかけると、相手はすぐに出る。
「ええ、言われた通りに。子供たちはどうします?」
話ながら、携帯を横に置き、自分の足を触って何か板のようなものを取り出していた。
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