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黒田が銃を出そうとしたが、別の男によって銃を奪われてしまい、身体も拘束されてしまった。
素澤は自分と同じくらいの背丈のサラムに対し、足を引っ掛けて膝をつかせると、その銀色の髪の毛を強く引っ張った。
「だから大人しくしろっつったろ。お前のせいでこっちも無駄な労力使ったっつーの」
「そいつを離せ!!」
「お前も五月蠅ェな。黙ってねぇとマジでブチ殺すからな」
素澤はサラムの腕も拘束させると、黒田も一緒に間ノ宮のもとに連れて行くよう指示をした。
腕組をして待っていた間ノ宮のもとにサラムが到着したのは、あれから4時間ほど経った、空が夜にさしかかったあたりだ。
遠野はすっかり寝てしまっていたが、素澤の到着によって目を覚ました。
素澤の部下によって連れて来られたサラムと黒田は、前以て用意していた椅子に座らされると、間ノ宮が立ち上がって二人に近づいて行く。
「随分と手こずらせてくれたな。サラムとか言ったか」
「・・・・・・」
「生意気な目だ。いたぶり甲斐がありそうだな。素澤、始めろ」
「はいはい」
間ノ宮にそう言われた素澤は、サラムの正面に立つと銃を突きつけながら聞く。
「照魔鏡ってのは何処にある?」
「知らない」
「隠すと自分のためにならねえぞ。わかってんだろ?お前がそういう頑なな態度を取るから、あいつらは犠牲になったんだ」
「・・・・・・」
「お前がそのまま黙ってても、例え本当に知らなくても、お前の未来には何もない。ここで大人しく全部喋った方が懸命だと思うけどな」
「・・・知らない」
素澤が耳元に手を軽く置くと、そこから声が聞こえてくる。
《嘘ですね。脈拍も速くなってるし瞳孔の動きも確認済みです。ああ、汗の方も出てきてますから、確実に嘘ですね》
「・・・お前が嘘を吐いてることは分かってる。この部屋はいやらしい部屋でよ、あちこちにセンサーやら何やらが設置されてんだ。お前が言ったことが嘘か本当かなんて、すぐに分かるんだよ」
「知らない」
「まだ言うか。なら、多少の痛めつけは致し方ねぇよな」
「!!」
渇いた音がふたつ、部屋に響く。
素澤の足元には薬きょうが、先程の音と同じ数だけ落ちている。
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