生老病死

4/8
前へ
/43ページ
次へ
 黒田が銃を出そうとしたが、別の男によって銃を奪われてしまい、身体も拘束されてしまった。  素澤は自分と同じくらいの背丈のサラムに対し、足を引っ掛けて膝をつかせると、その銀色の髪の毛を強く引っ張った。  「だから大人しくしろっつったろ。お前のせいでこっちも無駄な労力使ったっつーの」  「そいつを離せ!!」  「お前も五月蠅ェな。黙ってねぇとマジでブチ殺すからな」  素澤はサラムの腕も拘束させると、黒田も一緒に間ノ宮のもとに連れて行くよう指示をした。  腕組をして待っていた間ノ宮のもとにサラムが到着したのは、あれから4時間ほど経った、空が夜にさしかかったあたりだ。  遠野はすっかり寝てしまっていたが、素澤の到着によって目を覚ました。  素澤の部下によって連れて来られたサラムと黒田は、前以て用意していた椅子に座らされると、間ノ宮が立ち上がって二人に近づいて行く。  「随分と手こずらせてくれたな。サラムとか言ったか」  「・・・・・・」  「生意気な目だ。いたぶり甲斐がありそうだな。素澤、始めろ」  「はいはい」  間ノ宮にそう言われた素澤は、サラムの正面に立つと銃を突きつけながら聞く。  「照魔鏡ってのは何処にある?」  「知らない」  「隠すと自分のためにならねえぞ。わかってんだろ?お前がそういう頑なな態度を取るから、あいつらは犠牲になったんだ」  「・・・・・・」  「お前がそのまま黙ってても、例え本当に知らなくても、お前の未来には何もない。ここで大人しく全部喋った方が懸命だと思うけどな」  「・・・知らない」  素澤が耳元に手を軽く置くと、そこから声が聞こえてくる。  《嘘ですね。脈拍も速くなってるし瞳孔の動きも確認済みです。ああ、汗の方も出てきてますから、確実に嘘ですね》  「・・・お前が嘘を吐いてることは分かってる。この部屋はいやらしい部屋でよ、あちこちにセンサーやら何やらが設置されてんだ。お前が言ったことが嘘か本当かなんて、すぐに分かるんだよ」  「知らない」  「まだ言うか。なら、多少の痛めつけは致し方ねぇよな」  「!!」  渇いた音がふたつ、部屋に響く。  素澤の足元には薬きょうが、先程の音と同じ数だけ落ちている。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加