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「お久しぶりです。今回はなかなかの上玉なんですが、幾らで買い取っていただけますかね?色をつけてくださると助かります」
男は子供たちを見るや否や、近くにいる男に指示を出し、ドクロに大金を支払った。
ドクロはその場で遠慮することなく幾らかを確かめると、ニヤリと口角を上げて満面の笑みを見せた。
「ありがとうございます。それでは、またのご利用お待ちしております」
そう言って、ドクロはその場に子供を残して去って行った。
ドクロがほくほくしながら車を走らせている頃、素澤たちは男が見つからない為、一旦拠点に戻っていた。
「疲れましたねー。全然見つからないし」
「死んだんじゃねえの?」
「痛いッ!!やめてよおっ!!」
「静かにしろ!!」
「死んだにしても、遺体も見つからねえってのはどういうことだ?」
「流されたんだろ?もっと下流の方も探してみないとな」
「あの高さで生きてるわけないもんな」
「いやっ!!あっ!!」
「うるせぇよ!!もっと俺を楽しませろよ!!」
「死亡確定なのに見つけなきゃいけないなんてな。面倒だよな」
「お前等、何を話してる」
「た、隊長!!」
男たちが話しているところへ素澤がやってきた。
くちゃくちゃとガムを噛んでいる素澤は、視界の端に映っているその光景にため息を吐き、前髪をかきあげる。
「ほどほどにしておけよ。五月蠅くておちおち寝てもいられねぇ」
素澤に注意されると、その注意された男はへこへこと頭を下げる。
またイヤホンをつけて寝床につこうとしていた素澤のもとに、電話が鳴った。
「炉端か、何だ」
《間ノ宮さんに頼まれたこと調べてて、素澤さんが探してる男の居場所が見つかったので、ご連絡をと思いましてね。知りたいですか?》
「早く教えろ」
《おしるこ一年分ですよ》
「お前の一日の消費量が分かんねえけど、わかった。好きなだけ買ってやるよ。で?」
健に教えてもらった場所に向かうと、確かにそこには探していた男がいた。
「まさか生きてるとはな・・・」
あの高さから落ちて生きているとは思っていなかったが、男は一人で川の水を飲んでいた。
辺りに誰もいないことを確認すると、素澤たちは一斉に男を取り囲み、それに気付いた男は逃げようとするも、手遅れだった。
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