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「生きてたとはな。まあいい。俺達に大人しく殺されるんだな」
素澤の合図で一斉に攻撃を、と思った矢先、数人の素澤の部下が一気に倒れてしまった。
何事だとそちらに目を向けた途端、黒い髪をした男が、素澤たちが捕まえようとしていた男の腕を引っ張って軽やかに逃げていく。
「待て!!サラム!!!」
その叫びも虚しく、二人は消えた。
「おいおいおいおい、なんなんだあの男は」
素澤たちから逃れることが出来た二人は、息を荒げながら地面に尻をつけて座っていた。
「どういう心算だ」
「ようやく喋ったな。お前、サラムっていうのか?なんで追われてるんだ?あいつら誰だ?」
「五月蠅い。お前には関係ない」
「怪我してるな。ちょっと来い」
サラムの腕をぐいっと引っ張ると、大我はその怪我を治療した。
サラムに話しかけているのか、それとも独りごとなのか、サラムが無視していたため正確なことは分からないが、大我は話し続けていた。
右頬の傷の治療を終えると、ガサガサと物音が響く。
サラムと大我は身構えると、三人の男が姿を現し、二人を見るとほっとしたような顔を見せる。
「俺達はお前らを保護しに来たんだ。何があっても、無事に連れて行く」
一人は黄土色の髪に、唇の左下にホクロをつけた定室という男。
一人はブリーチのかかったさらっとした髪で瞳が大きい清涼という男。
そしてもう一人は、将烈とかいう男の部下だと言う黒田という黒の短髪に鋭い目つきの男だった。
「狙われてることも知ってる。とにかく、ここは危険だからとにかく移動しよう」
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