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応援席に戻ると、チームメイトが「お疲れ様」と迎えてくれた。
どうやらダブルスも惨敗だったようで、ベンチ端でチビチビとドリンクを飲んでは項垂れていた。
すでに始まっている残りのダブルスもスコアが開いていて、どことなく敗戦モードが漂っていた。
「さすが、全国常連校……」
誰が呟いたのだろうか。
相手が決めたボールに湧き上がる相手チームの歓声。
勢いは間違いなく相手校にあった。
コースをつくのが絶妙に上手い。
ボールの緩急も、何もかも。
「敵わないなあ」
そう思って朱莉はちらりと横を盗み見る。
朱莉の試合のあと、にこにこと笑っていた舞が真剣な眼差しで目の前の試合を見ていた。
もしかしたら、来年は舞がこの強豪校と戦うのかもしれない。
勝負の世界に絶対はない。
今年がそうだったように、来年も強豪校が予選から出てくることも十分有り得るのだ。
「ーー次こそは」
そう呟いた舞に応えるように、朱莉も目の前の試合を見つめる。
「うん、次こそは」
ゲームセットを告げる声と相手チームの歓声。
拍手が響くコートをただただ見つめているしかなかった。
ーー秋大会が終わった。
引退まであと大会は一つ。
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