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「あれ、雄大さん。仕事に戻ったんじゃないの?」
「まだ時間に余裕があるからね。駅まで送るよ」
「わっ、助かる!」
ぱぁ、と顔に花を咲かせて後部座席に乗り込む。近くのバス停まで走ろうかと思っていただけに、ありがたい申し出であった。
「──今日は会長もハルも帰りが遅くなる見込みだそうです。寛人くんは帰れそうなら連絡すると言っていたよ」
「寛人兄さんにも連絡いれたの?うん、わかった。父さんと陽仁兄さんに頑張ってって伝えて」
「承りました。朱莉ちゃんも何かあれば連絡してね」
駅前のロータリーで降ろしてもらい、雄大さんを見送った。
待ち合わせの十分前。丁度良い時間だ。わかりやすいように「ターミナル広場の時計の下で待っている」と友人へメールしてを送り、ふぅ、と一息ついた。
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