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「ちょっといいか」呼び止められた僕の手には、白い粉の入った袋。
「それは何だ?」男の顔は柔和だが、その眼光の鋭さに気圧されそうになる。
「粉?です」僕は答えたが、「何の粉かと聞いている」と強い語気で問い詰めてくる。
ただのミョウバンだが、脇の臭い取りなんて言いたくもないので、
「僕用にブレンドしてもらった粉で」と、含みのある言い方をした。
すると男は「そうか」と言って、それ以上何も聞かずに立ち去った。
翌日、近所で覚醒剤の盗難事件が発生したことを知った。
盗まれたのは、非常に純度の高い覚醒剤だったそうだ。
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