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9. 今朝の夢
「おはよう…お兄さん。」
「おはよう。ちゃんと眠れた?」
目をこすりながら起きてきた彼女は欠伸をしてソファーに膝を抱えて座った。
「うん。お兄さんが居てくれたから。昨日はなんかごめんね。あんまりはっきり覚えてないけどまた泣いちゃった。」
「気にしないで。朝ごはんにしよう。今日はフレンチトースト作ってみたんだけど、どうかな?」
「フレンチトースト!大好き!お兄さんも大好き!頂きます!」
一瞬にしてフレンチトーストに目を輝かせる彼女は子供のようだ。ミアが笑顔になってくれるのなら僕はなんだってするよ。だから、いつも幸せでいて。
「あ、そういえば香港の話だけど、自由時間作れそう。」
「ほんとに?嬉しい!」
「ロケ終わった次の日から2日間休みだからゆっくり遊べるんじゃないかな。」
「スケジュール調整してくれたのね。本当にありがとう。」
「どういたしまして。」
「ねえ、お兄さんも一緒に観光してくれる?」
「ミアがいいなら、もちろん。」
「やった!じゃあ一緒にまわろうね。楽しみだなあ。」
評判の良い飲茶のお店を見つけたの、お兄さんと行きたかったんだ。と話す彼女は本当に嬉しそうでその姿を見れただけで調整を頑張って良かったと心から思う。言わないけど、実は結構大変だった。しかしそんな苦労はすぐにどこかへ消え去った。
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