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医院長は診察室のドアを開け「あ、そうだ。もうすぐ看護師さんが来るからお喋りでもして待っててね」と言い、さっさと診察室のドアを閉め、診察の準備を始めた。
さっきまで飛び降りて気絶してた輩が言えるセリフでは絶対にないと思うのだが、正直言って僕と話してくれる看護師さんを見るのがとても楽しみだ。
言うまでもなく分かっているとは思うが、僕は自宅警備員だ。だから基本的にはインドアで相対的に女性を目にする機会が著しく少ないため女性様のその滑らかでかつ、上品なその体貌を拝見できることに対して過度に期待をしてしまう。
しかしながらここまで期待しておいて三十路以上、いわゆるおばさんが登場したときは無念のあまり発狂しかねないので期待はほどぼどにしておこう。
人生はうまくいくことなんて何も無い。と、僕は既に身をもって学んでいるのだから。
「──あらあら、どうしたんですか良立暮さん。顔が緩んでいますよ」
そう僕の紳士的な顔面を指摘したのはこの病院の看護師さんだった。
「──え?」
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