1

10/10
前へ
/11ページ
次へ
肩で息をする。 叫んだことで私の頭の細胞は蘇った。 「んーっ!!」 精一杯伸びをする。 屋上の風は気持ちがいい。 ふと視線を横に向けると、人が倒れていた。 「…っ」 恐る恐る近ずく。 近ずくと同時に気づく。 …幻覚じゃない。 幻覚なら、少しだけ透ける。 でもはっきりとしていた。 顔を上から覗き込む。 「…あ」 私の声と同時に、彼は目を開けた。 「……でかい叫び声」 クスリと綺麗に笑う。 「ちひろくん」 「俺の名前覚えててくれたの」 光栄だね。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加