告げる暗雲 ルナールの思い

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待ってる間は、長い時間に感じるな。 一緒に飲んでいたミルクティだって冷めてしまってる。 まだかな。クレイに意地悪されてないといいけど。 心配になってくるよ。 どうか何もないように思うけど。 ずっと願って待っていると、しばらくしてからノックの音。 マーツかな。 「失礼します。マーツです」 やっぱりそうだ。 部屋に入ってきて、あたりまえのように僕の近くに来てくれる。 それは、マーツが来る前の、僕がもう少し子どもの頃にとってはあたりまえじゃなかった、大切な“あたりまえ”。 この“あたりまえ”がずっと続いてくれるといいなと、僕は思ってるんだ。
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