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4章 研究員 1
いつも白衣を着ていた研究員たちは、わたしたちに笑いかけたことがなかった。
いつもうつろな目をしていて、どこか寂しそうな顔をしていた。
さっき電話があったでしょ?
その電話の通り、あの木苺少年、少女施設は、改装され、研究所になるらしい。って。
なんだか、あの施設での全てがなかったことになるみたいで、わたしたちは今まで何をしていたんだろう?って思った。
優斗が、研究所っていっても、何を研究するの?と、言った。
わたしにも、よくわからない。でも、予想はしている。
わたしがこうして、あの施設のことを話しているのも、優斗と付き合っているのも、全てはあの施設のすすめであって、、、、、、、、、
ごめんなさい。
でも、優斗も、わたしのことを知った上で付き合っているんでしょ?
優斗が、うつむく。
そして、小さくコクリと、うなずいた。
僕は、卑怯な奴だ。、、、、、、、、
研究員のこと、、、もう少しいいかな?、、、、、
優斗が、急に喋り出したので、少し焦った。
大丈夫。わたしたちだって、人間に、許される立場じゃないから。
そう心の中で思う。
研究員が、あの施設で何をしていたのか、優斗にだけ、教えてあげたい。
長くなるかもしれないけど、いい?
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