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「おい!動くんじゃあねぇぞ!」
と強盗はけたたましい声を上げた。
すでにそいつは袋いっぱいの店の金を担ぎ、ライフル銃を客に向けては脅し文句をズカズカ吐き出す。
やかましい強盗は出入り口のドアに一歩、また一歩と近づき、店長を人質にして店の外に出ようとした。
とその時だ。
強盗の上に小さな影がフワッと浮かんだ。
こんな店内の中で何事かとそいつは上を向いた時、ギョッと目ん玉を開いたのさ。
目の前数センチのところに誰かの靴底があるのだ。
そりゃあ驚くだろうねぇ。
もしかしたらと思った奴がいれば、きっとご名答さ。
靴底の相手はお馴染みあの赤ずきん。
こんなことする奴なんて彼女ぐらいしかいないだろうから。
赤ずきんは強盗の顔を潰すように足蹴りを食らわした。
それはそれは思いっ切りね。
思わずそいつは持っているお金、人質、鉄砲を手放し、床にデッカイ音を立てて倒れた。
とっさに人質さんはカウンターに隠れる。
堂々と倒れた強盗の目ん玉は遥か彼方を見ていてた。
口はだらしなく開いていて、よだれは床につきそうだ。
遂にガクリと首が落ちたそいつは、あっけなく気絶した。
つまらねぇ、やわな奴だったな。
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