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赤ずきんも強盗も客達も、店にいた全員がその煙に包まれる。
すぐに影響を受けた客達は涙が止まらず、思わずその場にしゃがみだした。
ゴホゴホと苦しそうな咳音とうろたえる声は絶えない。
(催涙ガス……!しめた!)
この混乱の中、狼男はしっかりと赤ずきんの片腕を掴み、出口へ駆け抜ける。
「ずきん、行くぞ!」
店から脱出した二人は速足で人混みを抜けていく。
後から気付いたんだが、あの白煙は店の外にいる野次馬共やポリ公も浴びていたらしい。その結果、二人は無事そこから抜け出したんだ。
とにかく何もバレずに済んだのは不幸中の幸いだったかな。
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