Ano:ep1 母の形見が届くまで

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 赤ずきんも強盗も客達も、店にいた全員がその煙に包まれる。 すぐに影響を受けた客達は涙が止まらず、思わずその場にしゃがみだした。 ゴホゴホと苦しそうな咳音とうろたえる声は絶えない。 (催涙ガス……!しめた!)  この混乱の中、狼男はしっかりと赤ずきんの片腕を掴み、出口へ駆け抜ける。 「ずきん、行くぞ!」  店から脱出した二人は速足で人混みを抜けていく。  後から気付いたんだが、あの白煙は店の外にいる野次馬共やポリ公も浴びていたらしい。その結果、二人は無事そこから抜け出したんだ。  とにかく何もバレずに済んだのは不幸中の幸いだったかな。  
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