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【午後十時 教官室にて】
「バッッッカ野郎!!!!」
烈火の炎の如く激しい怒りが新人二人を襲う。
この憤怒の大声を出す輩は誰かって?
『単眼の狂戦士』と呼ばれたサイクロプス教官さ。
あぁ、恐ろしや。
「お前達は殺し屋としての自覚が欠けてならんっ!実に不愉快極わりないっ!!」
とクドクド鼓膜の裂けそうな説教は三時間続いた。
元々赤い顔肌が一層赤くなり、首筋の極太血管ははちキレそうに見える。
狼男は何度も謝罪を繰り返し、赤ずきんは死んだ魚の目で説教を右から左へ聞き流す。
「聞いているのかッ!!赤ずきん!!!!」
教官が赤ずきんの態度に一喝した。
本人はというと……
「聞いてます、かなり」
と赤ずきんはしらっと答える。
(かなりってなんだよ……。)
ムカつく狼男。案の定そう思っていたのは彼一人だけではなかった。
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