Ano:ep1 母の形見が届くまで

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【午後十時 教官室にて】 「バッッッカ野郎!!!!」  烈火の炎の如く激しい怒りが新人二人を襲う。 この憤怒の大声を出す輩は誰かって? 『単眼の狂戦士』と呼ばれたサイクロプス教官さ。 あぁ、恐ろしや。 「お前達は殺し屋としての自覚が欠けてならんっ!実に不愉快極わりないっ!!」  とクドクド鼓膜の裂けそうな説教は三時間続いた。 元々赤い顔肌が一層赤くなり、首筋の極太血管ははちキレそうに見える。  狼男は何度も謝罪を繰り返し、赤ずきんは死んだ魚の目で説教を右から左へ聞き流す。 「聞いているのかッ!!赤ずきん!!!!」  教官が赤ずきんの態度に一喝した。 本人はというと…… 「聞いてます、かなり」 と赤ずきんはしらっと答える。 (かなりってなんだよ……。)  ムカつく狼男。案の定そう思っていたのは彼一人だけではなかった。
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