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「これはこれは……!!ジャックさん!!」
正解はジャックと豆の木工房の店長、ジャックさ。
実は彼の店には教官の孫が働いていてね。
教官とジャックはそれなりの関係があるって訳で。
ついでに言っとくと、赤ずきん達のいた店に催涙弾を投げ込んだ人物だったりする。ここだけの話だから教官はまぁ……知らないだろうね。
「いやはや失礼いたしました……!いつも孫がお世話になっております……」
とさっきまで激怒していた男とは思えないぐらいぐるりと態度を変える教官。気にしないでくれと困り顔で笑うジャック。
「ははは……。そんなかしこまらないでおくれよ。実はね、今日来たのは商売話をしに来たからじゃないんだ」
ジャックが『商売話』と言ったのは、彼が定期的に教官室へ訪れていたからだった。教官は孫のつてあってか、仕事で使う武器の全てはこの彼の店から買っている。
だが、彼がこの部屋へやってきたのは約一年ぶりのことだったんだ。
「と申しますと?」
教官は眉を上げて疑問符を浮かべる。
「アリアンネの拳銃の件さ」
そう言うとジャックは腰ポシェットから古新聞に包装された小包を教官の前に差し出した。
表情が一瞬固まる教官。渡された小包を受け取った教官はしばらく押し黙ってしまった。
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