Ano:ep1 母の形見が届くまで

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   そのページにはドドンと大きくこの店の魅力についてしこたま褒めちぎっている文章とオーナーの満面とびきりのスマイルの写真が店の料理と一緒に輝いている。  正直なところ、どれもこれも良いことしか書かないから、考えなしの群衆は寄ってたかってこの店に来たがるのさ。  メディアって奴はホント、薄っぺらくて困るよ。  そんなこんなで赤ずきんが退屈な時を過ごすこと約10分。 ついにこのテーブルにも注文の品がやってきた。 「お待たせしましたぁ~!『オリジナル爆弾ミートボールスパゲッティ』と『叫びのチーズグラタン』でぇーす」  と舐めた口調のウエイトレス。 音漏れのイヤホンからはデス声の連呼が聴こえる。  態度悪いこの店員に多少の嫌悪感を感じるのが普通だが、二人はそんなことどうでもよかった。  特に彼女はそうなんだろうね。 「わぁー!超おいしそうっ!!」 「そうだな。お腹、急に減ってきたよ」  やっと食べられる。 赤ずきんの心はウキウキだったのさ。 二人が目の前の料理をいざ食べようとしたその時。  何かが赤ずきんのお皿に当たり、反動でべちゃっとパスタが窓に張り付いた。
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