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 相変わらずやせ細っているが、香を焚き染め髪をとかした様子は、元の美貌をうかがわせた。ぎゅっと抱きしめると折れそうなので、そっと抱きしめて頬に口づけをすると、姫は嬉しそうにクスクス笑った。 「あの人は体を強張らせるだけで、喜びやしなかった」  再び仲平は粥を食べさせて添い寝をした。  朝、姫に粥を食べさせて出ると西の対の角に大納言が立っていた。 「大納言さま」 「まさか、姫が思いわずらったのが右衛門の佐とは思わなんだ。今夜も、来てくれると思っていいのかね」  三日夜の所顕しの宴をしていいかと聞かれたと思い、仲平は答えた。 「もちろんでございますとも」 「では今夜は所顕しの宴をひらきますぞ。婿殿」 「はい」  大納言はすぐさま姫の部屋に入った。しゃがれた歓喜の声が聞こえた。 「あの人ならば、こう喜びはしないだろう」  そう思えば、伊勢への罪悪感は消えた。  その晩、仲平は大納言家で小さな餅を三つ食べた。  姫には粥を。
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