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少年の秘密
自分の性癖が異常なものだと分かっている。これはどんなに隠しても醜く滲み出てしまうものなんだ。
『一架。……もしかして見てた?』
遠い記憶。あの人の声が反響している。
『俺達が“してる”ところを……』
本当は思い出したくない。“あれ”は消し去りたい記憶だ。
まだ小学生のとき、他人がセックスしている姿を目撃した。それを機に自分の異常な性癖に気付てしまった。
驚きや嫌悪より興奮の方が遥かに勝っている。
俺は他人のセックスを視ることでしか欲情できない人間だった。
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