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「名付け」に行かない。その選択肢は考えていなかった。
そういえば、「名付け」に行かなければいけない、とは誰にも言われていない。私が勝手にそう思っていただけだ。
「そりゃ駄目だろ。ヌシサマに怒られるぞ」ネイが言う。
「そうなの? 」と私。
「いや、わかんないけど」
「そもそもさ、どうして『名付け』ってするの? 」
私はふと、前から疑問に思っていたことを口にした。二人から、答えは帰ってこなかった。
私たちの会話は、それ以上進むことはなかった。リラもネイも、そして私も、「名前」を持たない者がどうなるのか、何故「名付け」をするのか、何一つ知らなかった。
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