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少しずつ、私が溶けていく。周りは水。私はもうすぐ、この水と一つになる。
これから何処へいくんだろう。無くなっちゃうのかな。全部。それは少し、寂しいな。
また一つ、泡が消えた。今のは多分、私の足。色んな場所に行ったね。ありがとう。
そうだ、あの人は元気かな。ちょっと不器用だけど、とっても優しい君。強い人だから、私がいなくても大丈夫だよね。私はもうすぐいなくなるけど、君のことは忘れないから……君もたまには、思い出してくれたら嬉しいな。最後のわがまま、聞こえている?
頭がぼうっとしてきた。辺りがだんだん暗くなっていく。時間だ。小さく息を吐くと、私はまた少し泡になる。
もう、怖くない。大丈夫。きっとまた、君に会いにいくから。
だからさ、ちょっとだけ、今だけは……
さよなら。
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