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母さんが私を押しのけた。その瞬間、さっきまで私がいた場所に何かが飛んできた。
ぼんやりとした光が見える。すると突然、母さんが突進した。
母さんが、あの透明なものに体当たりした。群れの皆は何が起こったのかわからないようだ。もちろん私も含めて。
透明なものはぐにゃりと曲がった。と思うと、先程までだらんと垂れていた胸鰭が勢い良く伸びた。
二本の胸鰭が母さんを縛り上げようとする。すると母さんは自分の尾鰭を相手の体に叩きつけ、それを避ける。
そうか、さっき飛んできたのはあの胸鰭だ。透明なものは、私を捕まえようとしたのだろうか?
よく分からないが、あれは危険だ。ここは母さんたちに任せよう。
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