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結論から言うと、私はあっけなく追いつかれた。後から聞いた話だと、リラは本気を出していなかったらしい。全力を出していたこっちが馬鹿らしく思えてきた。
「なんであんなに速いの……」
「私の方がお姉ちゃんだからね。一月だけ」
私の呻きは簡単に流された。一月でそんなに差が出るものだろうか。
「さ、帰ろ。お母さんたちが待ってる」
リラは元気そうだが、私はそうもいかない。すっかり疲れてしまった。
「先に行ってて。少し休んでから帰る」
「大丈夫? 」
「平気。すぐ戻るから」
ならいいけど、と言うと、リラは去って行った。
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