俺様バカとウサギ男

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「う~~~、車ん中寒~っ!」 車に乗り込み暖房を掛ける先輩はホントに寒そう。 「ゴメンね先輩。コートありがとう。おかげで暖かかったよ」 借りていたコートを脱ぐとめちゃくちゃ寒くて、急いで運転席からコートを差し出した。 これで先輩とは本当にお別れだ。もう会う事も無い。 実際、浮気云々は兎も角、お付き合いしていた頃の先輩は凄く優しくて私を大切にしてくれていた。 この人と結婚する人は幸せにしてもらえると思う。 いつまでも私なんかに拘ってないで、早く幸せになって欲しい。 昔別れた時、先輩の言い分も聞かず感情に任せ、勝手に見切りを着けてしまった。 否、先輩の気持ちも考えずに嫌悪感だけで私は逃げた。 私は先輩を"過去の人"に出来たけど、私がした行動の所為で先輩は私を忘れられず、今でも好きだと思い違いしてるんじゃないか? 偉そうな事を言うけど、先輩のためにもあの時出来なかった"さよなら"を今しよう。 そう思い口を開けたが、言葉を遮られた。
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